冴えないGDPのディスり方 ( その1)

日本の経済成長率は低いですよね。結構Twitterでも日本経済をディスるのに遭遇することがあります。

 

日本は先進国でインフラは既に整っていますし、人口減が始まっていて、労働者人口も減る訳ですから、GDPが減っても不思議なことではありません。

政府は「女性の働ける環境を!」「高齢者も働き続けられる」と労働力と経済力の確保に躍起になる訳です。

 

日本のGDP成長率はいくつでしょうか?

皆さんは「日本の年間GDP成長率はいくつ位だと持っていますか?」

上記のTwitterの様に「20年でマイナス20%位!」って感じなのですかね?

 

GDPには”名目GDP”と、経済成長率を見るために物価上昇(インフレ)分の数字を除いた”実質GDP”とあります。目的によって使い分けられます。

 

「実質GDPの成長率」は下記になります。

僕としてはニュース等を聞いて「最近は1%いかない位。悪くなってもいないが、良くもなっていない。」位の感覚です。

日本国内で生活している分には、下記「実質GDPのチャートは」一番感覚に近いです。皆さんの感覚はどうですかね?

 

データ:IMF Data https://data.imf.org/regular.aspx?key=61545852

 

実質GDPがマイナスとはどんな経済状況だったのか?

GDP成長率はマイナスに陥っている年を見ると、下記でいずれも「景気後退期」と行われているものになるのです。

1993年 バブル崩壊、就職氷河期始まる。

1997年-1998年 アジア金融危機、山一証券の破たんも1997年。消費増税も1997年。就職氷河期

2008年-2009年 リーマンショック!

 

日本の実質GDP

日本の1980年からのGDP成長をグラフで見ると下記になります。緩やか過ぎて他国に比べると威張れたものではありませんね。

でもなだらかながら上昇は続けていると言えなくもないです。

 

「世界最下位の成長率の日本のGDP」

上のツイートでも紹介されていた。ネットで何回も見た画像です。始めはネタかと思ったのですが、この画像に対して「やっぱり日本は酷い!」と言った反応なのですよね。

勉強家の株クラにはそういう人は稀だと推測しますが。

この画像では、

 

◇日本は断トツの最下位!

◇日本の成長率は20年間でマイナス20%!

 

ですって! 20年間でマイナス20%ですから、年間平均成長率が-0.99%です。経済危機国ですね。

 

為替レートでGDP成長率は大きく変わってしまう。

上記のデータは「USドルベースの名目GDP」です。

ですのでインフレ率が高い国は高くなります。例えば、20年1000%って平均成長率は25.9%ですから、インフレと通貨安を伴っています。

 

また、為替の影響を受けるので、”円高ならばGDPは高く出て、円安ならGDPが高くでます。”

他の新興国はインフレに合わせてドルに対して通貨安が進んでいくので、日本の場合はここ30年位は、円が75円~125円のレンジ相場になっています。

 

上記の表では、1995年~2015年なので、

1995年の為替レート 80.21円/ドル

2015年の為替レート 117.77円/ドル

で計算されています。

 

2015年の方がドルベースはGDPは低く見えてしまうのです。この理屈ならば、為替だけ20年間でマイナス32%成長!です。

実際に為替の日本経済の影響は深刻なのですが、20年で切り出すと為替影響で「最もパフォーマンスが悪く見えるところ!を切り取った!」感じですね。

 

試しに、円安→円高の区間を切り取っています。

例えば、2002年はドル円は125円をつけています。10年後の2012年には79円をつけてみます。

これをIMFデータベースで計算してみると、

2002年 4,115.12(兆ドル) ドル円 125.39円

2012年 6,203.21(兆ドル) ドル円 79.81円

 

この期間2002年~2012年の10年間は、日本のGDPは50%の成長率を遂げています

平均成長率4.1%です。

スゴイですね。リーマンショックもなんのそのですね。実際アメリカが痛んだ分、相対的に高い経済成長をしたというのも事実ですが、

これで「日本は先進国最高の成長率!」というのはナンセンスですよね。

 

日本経済が良くない事実はありますが、1995年~2015年の作為的にデータ切り取っている風に思えます。

これに「日本経済は世界一ダメ!」みたいなことを言われると、「日本の悪口言いたいだけなんろうな。」と思ってしまいます。

 

実際の実質GDPの各国の成長率

・リーマンショック後からの立ち直り!という意味で最近10年間の2009年~2019年を切り取っています。

・実質GDPなので、現地通貨ベースで、現地の物価上昇分が取り残された指標になります。

 

国は勝手に抜粋しています。日本は10年で14.17%でした。

10年成長率(%) 年平均(%)
日本 14.17 1.013
米国 25.39 2.2
ドイツ 21.21 1.9
中国 108.25 7.6
イタリア 2.43 1.002

 

この位だと、普段経済ニュースや指標に振れていれば、成長率という意味だと僕はしっくりくるのではないでしょうか?

この10年を見れば

・アジア・アフリカ成長が目覚ましい。・・・多くの国が5-8%位で皆成長している

・欧州危機、特に南欧 ・・・スペイン・イタリアは日本より悪くて、ギリシャとか可哀そうな位悪かった。

・南米の経済危機・・・国の財政がデフォルトしたベネズエラとかアルゼンチンとか、経済混乱のブラジルとか。

・日本の停滞

 

等が特徴だと思います。

 

日本の低成長は間違いないのです。ですが、自分の感覚を持って数字を眺めたいですね。