「S&P500に投資しておけば問題ない」とよく言われますが、PERや株価は市況により大きく変わりますので、増益率や増配率を見てみたいと思います。長期投資であれば、EPSが成長し、配当が増配し続けていれば特に問題ないですよね。
改めて、成長率、増配率の観点で指数を見てみます。
2019年4月に書いた記事の更新版です。この記事、書いている時点で「S&P500 増配率」で検索すると1位でした!なのでデータを更新します。
コロナ下の2020年のパフォーマンス
下記が2019年末~2020年末の結果です。
S&P500指数は16.26%上昇する一方で、EPSはマイナス14.92%。その中で配当の増減配率は-3.57%に留まっています。
年 | 配当($) | EPS($) | S&P指数 |
2019 | 58.8 | 162.35 | 3230.78 |
2020 | 56.7 | 138.12 | 3756.07 |
平均成長・増配率 | -3.57% | -14.92% | 16.26% |
結果、割高になる訳ですが、
PERは、19.9 → 27.19に上昇
配当性向は、36.22%→41.45%に上昇しています。
S&P500の配当利回りは1.51%で2001年以来の低利回りでした。
最近50年でのデータ
1970年~2020年まで50年間のデータで見ると下記です。
良く言われる米国株の年6%の成長率と言われますが、株価とEPSの成長率がギャップが広がってきています。
年 | 配当($) | EPS($) | S&P指数 |
1970 | 3.19 | 5.51 | 92.15 |
2020 | 56.7 | 138.12 | 3756.07 |
倍率 | 17.77 | 25.07 | 40.76 |
平均成長・増配率 | 5.92% | 6.66% | 7.70% |
最近20年のデータ
最近20年で見ると2000年はドットコムバブル時で高値圏の状態で、そこから見るとS&P指数は2.84倍です。
年 | 配当($) | EPS($) | S&P指数 |
2000 | 16.07 | 56.13 | 1320.28 |
2020 | 56.7 | 138.12 | 3756.07 |
倍率 | 3.53 | 2.46 | 2.84 |
平均成長・増配率 | 6.51% | 4.61% | 5.37% |
ですが、増配率は6%台推移していますね。
S&P500の指数は上限しますが、増配率は比較的安定して6-7%位で推移しています。長期的に見て米国株の安定感を改めて感じます。
S&P500の年毎増配率について
リーマンショック以来の全体としての減配になりました。そう考えても強いですね。
S&P500の年毎のEPS成長率について
同じ期間のEPSです。
リーマンショックのマイナス40%と比較すれば小さいですね。2015年のチャイナショックの-13.5%相当、と考えると、コロナは産業構造への影響は大きく、収益減と収益増の企業の格差が大きいのでしょうね。
配当性向について
まとめ
S&P500指数は2019年、2020年で49.3%も上昇しているので、増配率と指数の差が広がっているのでギャップが広がっています。
配当を出さない傾向のグロース株が株価を伸びている事も全体数字に影響します。
このコロナ配下でも、減配率が3.97%と考えると資産の一部は偏らない形で、地道に配当株・ETFにも投資していきたいと思います。