「みんなのクレジット」って詐欺じゃないの? 酷すぎる運営

先日maneoの利回りの妥当性をレビューをしていた際に、「みんなのクレジット」が営業停止状態になっていることに気が付きました。

ソーシャルレンディングで融資している僕には衝撃的な内容でしたので経緯を追ってみました。

みんなのクレジットの今までの経緯

下記が時系列に並べています。

赤字は少し誇張していますが、みんなのクレジットは高額なキャッシュバックキャンペーンを継続的に行っていました。


2016年

4月 みんなのクレジットサービス開始

8月 サマーカーニバルキャンペーン!

9月 業界最速でローン設立10億円突破!(大キャッシュバックキャンペーン!

10月 ハロウィーンキャンペーン!

11月 業界最速でローン設立20億円突破!(大キャッシュバックキャンペーン!

2017年

1月 証券取引等監視委員会が検査

1月 業界最速ローン設立30億円突破!(大キャッシュバックキャンペーン!)

2月 業界最速ローン設立40億円突破!(大キャッシュバックキャンペーン!)

3月 証券取引等監視委員会が検査結果報告。一ヵ月の業務停止命令と業務改善命令

4月 社長交代

5月 業務停止命令期間後も新規募集ファンドされず

7月 償還期限が迎えたファンドが償還されず。

8月 東京都労働局が一ヵ月の業務停止命令

8月 償還期限が迎えたファンドが償還されず。

 

行政処分について

2017年3月に金融庁からの行政処分が下されています。

内容は「一ヵ月の業務停止処分」と「業務改善命令」ですが、そこに金融業者としてはあるまじき実態が記載されています。

 

 

融資先は「同じ社長が経営する親会社・グループ会社」

ある時点では貸出先の97.6%がグループ会社への出資だったということです。

下記はレンディング事業を開始して数か月の時の初期のスクリーンショットです。全部同じ親会社・関連事業者であった可能性があります。

結局、貸出事業のほ実体はほとんどなかったのです。

 

「貸し付け金額の120%の担保設定を目安」は大嘘

みんなのクレジットでは「貸し付け金額の120%の担保設定する」と謳っていて、融資担保として「有価証券」等が記載されていました。

しかし実体は担保評価の客観性が怪しい「未公開株式」となっています。

金融庁の改善命令後の最近の情報公開では実際の担保は絵画等資産価値・流動性の乏しいものを含めて担保資産は17.7%にとどまるそうです。

 

出資金の不当使用について

返済の利金が貸出先の不動産事業の収益から返済ではなく、個人投資家から集めた「他ファンド向け出資金」から流用されていたそうです。いつからか自転車創業状態です。

また、過剰なキャンペーンのキャッシュバック費用にファンド資金が充てられていたそうです。

会社のキャッシュでなく、出資金を他の出資金を集めるために使用するなんて悪意を感じます。

また、社長がファンド出資金を自身の借り入れ返済等に使用していたそうです。もうメチャクチャですね。

 

過剰なキャッシュバックキャンペーンについて

みんなのクレジットは出資金を集めるため「限定キャンペーン」なるものを繰り返し実施していました。

昨年9月時点のスクリーンショットですが、60万円投資して42000円で7%のキャッシュバックです。

通常の金利5%~14.5%に追加でキャッシュバックなるのですから合計12%~21.5%になります。「大変怪しい」ですね。

 

出資金を集めるためだけのキャンペーンの数々

下記も2016年9月~10月頃からですが、通例の口座開設以外にもさまざまなキャッシュバックキャンペーンがあります。

これをうまく使えば利金と合わせて20%にもなる場合もあります。「絶対におかしい」ですね。

 

Part1「先着XX名」にキャッシュバック銘打って煽っています。

人間「限定モノ」に弱いのにつけこみます。冷静に考えれば、投資なので「そんな過剰な不公平を発生させる投資会社は信用しない。」と思ってしまいそうですが。

 

Part2:「複数案件に投資するとキャッシュバック」

投資すると更にボーナスがもらえるそうです。この様に少額投資から始めた人の「心理的なタガ」を外していきます。

 

Part3:「再投資するとボーナスが出る」

会社からすれば高い金利を払った後に、逃げられてはまずい訳ですから、「会社がつぶれるまで再投資してもらう」ための餌に見えます。

 

Part4:「満額成立時の最後の人にボーナス」

ほとんどギャンブルです。先着キャンペーンを逃しても、射幸心を煽って投資家に最後の1手を押すためのアイデアです。

 

投資回数・ポイント・景品でリピーター狙い

リピータ向けのキャンペーンも多数行われていました。エントリーするのに投資回数でエントリーをし投資しボーナスキャッシュバックを得ます。しかも投資額に応じてプレゼントとして「秘密BOX」がもらえるという意味の不明さです。

これらは出資という意味だと冗談にしか見えないですが、ソーシャルゲームと同じ手段で他者へ優位性と達成心を掻き立て、リピートしてくれる個人投資家から搾り取ろうとしている様です。

 

 

下記「FINAL STAGE」(??????)へのエントリ条件です。エントリーして融資すれば大量のボーナスとしてキャッシュバックが期待されます。

必要な投資ファンド数、出資額、ポイントを満たし、エントリしてお金をもらう訳です。どう見てもおかしいでしょう。新たに「ソーシャル・レンディング・ゲーム」と呼びたい位です。

ここまで投資している人は、事業案件が増えていない中で「運営企業側になんのメリットがあるのか?」等の疑問をもはや抱かず、引き返せない心理状態になっていると思います。

 

金融庁が検査に入った後もキャッシュバックは続く

金融庁が検査に入ってからも「キャッシュバックキャンペーン」は続き、営業停止するまで追加で出資金を集めています。

40億突破が真実であれば10億~20億新たに集めています。

下記2017年2月~3月のキャンペーンです。この期間の事業案件の融資期間は16か月~20か月です。サービス開始時は貸出期間が数か月の案件もありましたが、金融庁の検査で行き詰って逃げる期間を十分確保している様に見えます。ここまで行くと計画倒産に向けての「確信犯」の匂いがします。

 

 

やっぱり怪しい。

誤解を与える情報発信や、出資金が正しく貸出に使われていないという意味で、詐欺の様にも思えましたが、金融商品取引業の免許を取得した上での事業を行っていますので「故意であったか」という点は証明は難しいのですので、詐欺の確定も難しいと思います。

倒産も踏まえたいくつかのシナリオを描いた上で、2-3月も出資金を集め続けた気もします。償還が既に計画通り行われていないということなので、これ以上事業を進めることはないと思います。

ソーシャルレンディングはまだ黎明期

「みんなのクレジット」関して言えば、サービスを開始して実績も十分な情報開示もなく1年で業務停止する様な業者が数十億もの出資金を集めることができた訳です。

みんなのクレジットは、出資金金額では、maneo、SBIソーシャルレンディングの後の3番手グループでしたので必ず比較サイト等では紹介されいました。「こんなめちゃくちゃな企業がはびこっていた」訳です。

ブログや紹介サイトでアフェリエイトで紹介している様なサイトの影響は無視できない気がします。投資家も始めは「怪しそう」と思っていても、紹介サイトも見て心理的なハードルが下がり、キャッシュバック金額に惹かれて出資を始めたという人が多いと思います。

 

その様な業者に投資しないために

僕はソーシャルレンディングのブログや広告で、みんなのクレジットを調べたことは何度かありました。口座を開設しなかった理由はたくさんありますが、

「金利+キャンペーンが高すぎる」

「事業実績が少ない」

「会社の出資が社長自身であり、その社長が信頼できない」

が主な理由です。

たまたまかもしれませんが、会社の取捨選択の判断をしていた訳であり、まだまだソーシャルレンディングを万人に勧めることはできません。「よくわからないものには投資しない」が第一です。

 

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