J-REITの相場感。まだまだ続く下落。日銀と投信が悪いんだ!

今年の上期からREITを学び、銘柄選定でいろいろ難しさを感じました。

REIT指数は再び7月14日の底値を目指して下がっています。全体で利回り4.22%だそうです。

相場の雑感です。REITは60銘柄程度しかないので統計データがすぐ出せるので良いですね。

 

投信売りが続いている相場である

JPXが発表している9月のREIT投資部門別売買高がでましたが-190億で今年最低です。

相変わらず「分配金を出すために売る」という状況が続いている様に見えます。

こんな状況では個人投資家も解約して、日経や外国株に流れますよね。9月の不動産投信の解約状況はマイナス957億円で、7月に次いで二番目でした。



今の相場での銘柄選定

今まで書いてきた内容と変わらないですが、今の相場は、不動産市況云々の前に、投信売りの影響が大きいので、影響を避けるという意味では、

  1. 時価総額低目の銘柄を買う。
  2. 高格付け銘柄を避ける。
  3. 最近上場したものを選ぶ。

 

という見解になりました。

「時価総額が低くて、低格付けで、実績もない案件」

という過去のセオリーの真逆です。少し、誇張してますが、その様な見方も意識して決算や指標を見て、投資対象を選べば良いと思います。

そもそも日銀と毎月分配金投信が市場を歪めてきた結果との認識です。

 

時価総額が小さくても良い

 

時価総額と格付けと分配金の割合等は以前の記事で書きました。

下記が先週の金曜日時点のJCRの格付け毎の時価総額です。

J-REITの投資信託はアクティブファンドが多い中、その投資対象はJCRのAA格付けだけで時価総額66%を占めています。

格付け無しは市場の時価総額の2%程度です。

また、J-REITバブルチャートで紹介した様に上級格付けはNAVも高めです。

投信売却の中で時価総額が低いものは影響は低く、規模が大きく時価総額が高いものは当面避けた方は良いとの見解です。



低格付けの方が良い。

下記がJCRの格付け毎の年初来のパフォーマンスです。加重平均しておらず銘柄毎の平均です。

全体で見ると、日銀相場をフォローした投信、銀行は売っているのは高格付けが多いということですね。

個別銘柄の事情はそれぞれありますが、下記の傾向は明瞭で、投信の状況を考えればこの傾向は続くと思われます。

 

最近上場したものから選ぶ

日銀がREITを買い始めたのは2013年春で、確か「上場して半年か1年は経過したAA格付け以上」といった基準だと記憶しています。(曖昧です。)

最近上場したものは、投信も組み入れされている量も限定的です。

また、運用が安定し、問題なければ時価総額に応じて組み入れてきます。

個別銘柄での事情はありますが、ここ数年上場したものの方がパフォーマンスは良く見えます。

2016年組は凄いですね。せっかくなのでリスト貼っておきます。

結局、無格付け、2016年組は二けたのパフォーマンスです。

コード 銘柄 JCR格付 価格騰落率 上場日
3476 投資法人みらい A+ 5.24% 2016/12/16
3473 さくら総合リート投資法人 無格付 11.45% 2016/9/8
3472 大江戸温泉リート投資法人 無格付 5.74% 2016/8/31
3471 三井不動産ロジスティクスパーク AA- 3.59% 2016/8/2
3470 マリモ地方創生リート投資法人 無格付 27.21% 2016/7/29
3468 スターアジア不動産投資法人 無格付 19.50% 2016/4/20
3466 ラサールロジポート投資法人 AA- 1.76% 2016/2/17

 

年初来二桁の上昇した2016年の3銘柄を、バブルチャート上で見ると下記です。REIT市場全体から考えれば時価総額は本当にわずかです。

小惑星が故に日銀重力を脱したチャレンジャーに見えます。通例なら弱小銘柄なんですけどね。

結局、短期的とは言え高配当な分配金を実現し、個人投資家が購入した結果だと思います。

 

まとめ

今後、この傾向が続くか?と聞かれれば、個人的には続くと思っています。

投信の売却は構造的な問題なので、個人向けの毎月分配金の利回りの代替の投資信託が構成されな限り、状況が大きく変わるのは難しいと思います。

それにはやはり利回りは、個人的にはまだ1%程度足りない気がします。

一方で、無格付けもリスクがあるので、利回りの良い銘柄を決算を見ながら購入する形が基本だと思います。

(投資は自己責任でお願いします。)


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