下記記事で、S&P500の増配率とEPS成長率の推移を見ました。長期投資には良いデータだと思い、日経についても見たくなりました。(2020/1/19 追記)
http://high-dividend-yield.info/2019/04/08/sp500growth/
残念ながら良いデータが見つけられず、日経プロファイルページに2004年以降のPERと配当率があったので、手打ちでExcelに入れて集計しました。
こちら「指数ベース」で計算しています。
日経平均は「指数ベース」です。みなし額面ベースで算出されています。
一方、PERは日経新聞では「時価総額ベース」が使われており、EPSもそこから計算されているケースがあります。
2018年であれば1700円前後とされている数字です日経平均自体が指数換算なのに、そこから時価総額のPERは計算式として誤りですよね。
「日経 EPS」で検索すると1番に出てくるサイトにも注釈がでています。
日経平均のEPSと配当性向について
下記推移です。年次の終値ベースであり、配当・EPSのデータは単純平均でなく指数ベースです。
下記は、PERも指数ベース、EPSも指数ベースで算出します。なのでネットで検索するEPSの数字が低いと感じる方もいるかもしれません。
日経銘柄のEPSは伸びている。
日経は弱いとか、言われますが、実際に企業はアベノミクスになってから日経銘柄の稼ぐ力は大きく成長しています。
残念ながら2019年はマイナスとなりましたが、2004年以前の四半期ベースでは日経のEPSがマイナスになったり、安定しない時代から比べれば、安定した利益と配当を出せる形に変化してきていると感じます。
配当性向は実はヨコヨコ
EPSの伸びに対して、配当性向は30%前後で横ばいです。
企業が「株主還元を重視する企業が増えた」なんてことは言われますが、配当だけ見ると「稼ぎが増えたから増配してます。(減ったら減配しますよ)」だけにも見えますね。株主の皆さんは、是非、いざ減収した時の企業姿勢をチェックしてください。
日経平均のEPS成長率と増配率について
日経のEPS成長率
2019年はマイナス
2019年はマイナス8.57%と大き目でした。EPSが減ると全体として、配当できる能力が減るということですのでよくないですね。
一方で、全体として、バラつきが大きいですが、ここ10年の成長率は素晴らしいです。
米国企業は四半期決算毎に駆けずり回りますから、日本企業より経営数字を安定させる傾向はあるものの、日本企業は利益が安定していない様に見えます。「稼ぐときに稼ぐ!がダメな時ダメ!」とも見えます。為替の影響も大きいと感じます。
日経平均の増配率
リーマンショック以降、「9年連続増配」でしたが、残念ながら2019年は、マイナス1.33%とうことで止まりました。
EPSがマイナス8.57%ですけど、配当が-1.33%というのは良いデータですよね。単純に減配しない企業もそれなりにいると考えられます。
日経平均の過去10年の平均成長率
過去10年の統計はリーマンショックの後の10年になるので、最も良いスコアが出る1つの指標になってしまいますが、
2009年~2019年の平均成長率です。
年 | 日経平均 | EPS(円) | 配当(円) |
2009 | 10,546.44 | 237.11 | 159.25 |
2019 | 23,656,62 | 1,235,33 | 442.38 |
倍率 | 2.24 | 5.21 | 2.78 |
平均成長率/増配率 | 8.41% | 17.95% | 10.76% |
期間の切り取りでよい数字が出てしまいますが、欧州指数のFTSE100やEURO50等と比較しても大きく上回っていると思います。
個人的感想
低空飛行を続けた日経は、アベノミクスが始まった後の成長率は米国以上の成長を見せるものの、ここ数年の成長は鈍化していると感じていました。
2019年はEPSがマイナスが思ったより大きく、その割に日経は上昇しているので、調整が入ればそれなりの下落する妥当性は感じます。
一方で、日本株は、今後の成長期待という意味では割安になる傾向があるかと思いますが、欧州に比べれば、中期的には成長企業に投資するチャンスはまだ残されていると感じます。
こちら利用したデータです。日経プロファイルのPERと配当から、EPSと配当を算出したデータです。
年 | 終値 | EPS(円) | 配当性向(%) | 配当額(円) |
2004 | 11,488.76 | 805.10 | 13.27 | 106.85 |
2005 | 16,111.43 | 612.37 | 22.89 | 140.17 |
2006 | 17,225.83 | 724.38 | 24.02 | 173.98 |
2007 | 15,307.78 | 865.82 | 24.58 | 212.78 |
2008 | 8,859.56 | 518.41 | 41.87 | 217.06 |
2009 | 10,546.44 | 237.11 | 67.16 | 159.25 |
2010 | 10,228.92 | 551.42 | 31.91 | 175.94 |
2011 | 8,455.35 | 515.26 | 37.41 | 192.78 |
2012 | 10,395.18 | 535.28 | 38.26 | 204.79 |
2013 | 16,291.31 | 717.36 | 32.02 | 229.71 |
2014 | 17,450.77 | 821.99 | 29.30 | 240.82 |
2015 | 19,033.71 | 988.76 | 32.15 | 317.86 |
2016 | 19,114.37 | 937.44 | 34.46 | 323.03 |
2017 | 22,764.94 | 1,189.39 | 31.77 | 377.90 |
2018 | 20,014.77 | 1,349.61 | 33.22 | 448.33 |
http://high-dividend-yield.info/2019/04/08/sp500growth/
[…] 日経平均の増配率・EPS成長率について […]