先日、トヨタからAA型種類株から配当をもらいました。ついに上限金利の2.5%に達したので、
このAA型株式の発行ついて評価してみたいと思います。
思った程成長できなかったトヨタ
AA型種類株式は、トヨタの成長を前提にデザインされたものであり、思った程成長できなかったな、というところをレビューしてみます。
普通株の3割高で売り出されたAA型種類型株式
このAA型種類株式は、2015年に、普通株の価格8152円3割高く10598円で売り出した、このAA型種類株式を売り出しました。
「何で3割何だろう?」
と思ったことはありませんか?
この3割は
「5年保有してたら、普通株を持っていた方が良かった!という風に期待できるよね。」
という想定から来た数字のはずです。
5年で30%成長すると見込めば年間成長率は5.38%です。米国市場のEPS成長率平均を6-7%とすればトヨタからすれば不可能な数字ではないです。
株価は相場の上下はあれ、それに見合う成長と株価上昇を期待していました。
トヨタの2015年からの業績結果
結果は、下記はトヨタの売り上げ・営業利益・純利益ですが2015年より売り上げは4年で10%増加にとどまっています。
利益に至ってはマイナスです。
こちらは配当です。200円から220円の増配で、平均増配率は2.4%にとどまっています。
下記が、普通株と優先株の年間配当です。
下記の様に2019年度に優先株の配当が、ついに普通株の配当を抜いてしましました。
年度 | 普通株 | 優先株 |
2015年度 | 200 | 52 |
2016年度 | 210 | 105 |
2017年度 | 210 | 158 |
2018年度 | 220 | 211 |
2019年度 | 220 | 264 |
2020年度 | 220 | 264 |
当初想定されたであろう見込みシナリオ
2015年の当初の配当は200円。成長に見合って30%増配すれば2020年度は260円です。(平均増配率5.38%)
これはAA型株の上限の264円に相当します。
仮に同じ成長率であれば翌年度は普通株配当は274円になり、普通株は増配株の配当を抜くと推測することができました。
「AA型種類株はリスクは低いが、結局”普通株”を持っていた方が株価も上がってお得だった!」
というのが望ましいシナリオです。
ですが、結果
株価 8152円 → 7690円(2019/11/27) マイナス5.7%
配当 200円 → 220円(2019年度) 平均増配率2.4%
と言う、当初AA型種類株をデザイン設計した想定とは大きく異なります。
強制買取を憂う
この数字は普通株の株主から不満が出てもおかしくない数字ですね。悪く言えば、
「俺は5年前から普通株持ってるけど、価格は下落してるし、今やAA型種類株式より低い配当しか貰えていない。」
「トヨタは長期投資家を大切にしているって言っているけど、株価があがらないで、AA種類型株式保有者が損をしないって、矛盾してないかい?」
「普通株と比較し、今の経営数字だとトヨタとして維持するメリットってないよね。ただのコストの高い株式だよ」
と筋の通った株主のありそうな主張を、優秀なトヨタ社員が忖度しないか心配です。
僕が当初のAA型種類株価デザイン担当で、「発行に当たり、社内での2021年の強制買取判断の想定基準を提示しろ」と上司に言われたとしたら、
「普通株の配当が264円以下だったら決済審議掛けます!」と言ったと思います。 (ちなみに僕は畑違いで、この手の話は全くしりません。想像です。)
別記事でも書きましたが、この辺はトヨタの経営判断で決まりますので、予想しても難しいのですよね。
当たり前ですが、元本保証の安定金利なのでAA型種類株式は維持して貰いたいです。
何より、株主としてトヨタには日本代表企業として成長して貰いたいですね。
ここでAA型種類株を否定してしまったら成長を諦めた事に見えてしまいます!
頑張れトヨタ!
こちらの記事の元となっている記事です。
[…] 遂に2.5%利回り到達!。。けどトヨタAA型種類株式の将来を憂う。 […]
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