最近のREIT相場は大きく下落中です。平均利回りは3年9か月ぶりに4%を超えたそうです。
REITの相場下落要因について
ニュース等を読むとその原因は主に下記です。
1) 昨年、金融庁から「毎月分配型の投資信託」の改善指導があり、資金流入額の減
2) 米国金利上昇による海外投資家の売却。
3) 金融庁の指導で、地銀等の金融機関が個別銘柄からETFのシフト。
下記2017年5月の各部門売買高です。確かに投信・個人の売り越しが続いていて、銀行は購入しています。海外投資家の売却は大きくはありませんが、5月は金利が下降気味であったのが理由と思っています。
影響が少ないだろう銘柄?
値動きを見て感じたのですが、全体は下落相場なのですが、低格付け・最近上場したREITは影響は少ないであろうとの仮説を立ててました。
1) 投信の影響が少ない
低格付け・最近上場したREITは投信に組み入れがない、もしくは量が少ないため影響が少ない。
2) 地銀の影響はプラス
地銀の所有銘柄は日銀銘柄/高格付けをフォローしていると思われるので、そこからETFへシフトしているのであれば、AA-以上が下落し、低格付けREITは上昇する。
3) 海外投資家の影響も相対的に少ない
海外投資家は金利上昇で離れていくが、日銀に持ち上げられた低分配利回りのREITの影響の方がより大きくなる。
パフォーマンスの比較
時価総額高の高配当REITのパフォーマンス
時価総額No.1~No.2高格付けREITと「1343:REIT指数上場投信(緑)」を比較してみます。
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8952 日本ビルファンド (JCR AA+) <span style="color: #ff0000;">赤</span> 8951 ジャパンリアルエステイト(R&I AA) <span style="color: #3366ff;">青 </span> |
この年初来のパフォーマンスですがトレンドはほぼ一致し指数以下のパフォーマンスです。
最近上場REITのパフォーマンス
2016年に上場したREITの中の総合・オフィス型から、自分が購入した銘柄・検討している銘柄と、指数のパフォーマンスを比較してみます。分配利回りは5%後半~6%位のまだまだ放置銘柄です。別記事にしてますがスターアジアはそろそろ一度ピークですね。
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2016/12/16上場 投資法人みらい 3476 (A+)(<span style="color: #3366ff;">青</span>) 2016/9/8上場 さくら総合リート 3473 無格付(<span style="color: #ff6600;">オレンジ</span>) 2016/4/20上場 スターアジア不動産 3468 無格付 (<span style="color: #008000;">緑</span>) |
指数を1343:赤との比較は下記です。下げ相場では違和感あるパフォーマンスです。
一定の事象は確認できた?
この事象は、歪んだ日銀相場と投信設計の修正とも言えます。利回り3%REITは個人投資家感覚からしても低すぎました。
一方で実績が少ないREITの価格が上昇していくのも歪んだ相場とも言えます。
「このトレンドが続くか?」と言われれば疑問です。新参REITの実力は不確かです。LTVが45-50%で設定しているものが多く、所有不動産価格が上昇しなければ、投資口価格もNAVも鈍く、結果、成長起動・安定運用に乗れないREITも出てくると思います。リスクはあるので、まだ少ないIR情報を見て期待利回りを見つつ欲しくなれば、あまり下げ相場に神経質にならずに購入しようと思います。
一方で、高格付け・低利回りREITは暫く様子見で、指数連動ETFは買い場な気もしますが、もう一段の下落まで控えようと思います。
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格付けと分配利回りの関係の記事です。
この記事の後に記載した「毎月分配型の投資信託」がJ-REIT市場に大きく影響与えているとの洞察記事です。