今読んでいる「ウォール街のランダムウォーカー」で各時代のバブルの実例が多数紹介されていました。結局バブルは資産価値等は関係なく「いつか他の誰かに高値で売れればよい」という考え方が支配するというものです。
その中でシスコがPER100倍を付けたことが紹介され、「株価収益率(PER)100倍の企業は年率15%で成長しても10年後にはまだ市場平均を下回る水準だった」という記載がありました。
米国株勉強中の僕ですが、先日Google(Alphabet)を958$で打診買いしたが、改めて「グロース株を持つ」ことについて考えさせられました。日本株であればPERが15前後を投資の目安にしていますが、「成長企業だから」という理由で高いPERでも数字を無視して購入しているからです。
成長率が20%のパフォーマンスとは?
純利益が毎年20%増加が期待される高成長企業のPERが30、50、100の場合について考えてみました。純利益は右軸で1年目を100としています。
下記は「購入時株価」に対しての株価収益率の推移を示したものです。
純利益は4年後に2倍となり、9年後に5倍となります。PER 100の企業は年率20%で利益を成長し続けても10年目を迎えても購入時株価で換算してPERは19.4です。
購入時価格で考えると買値から考えるPER15まで達するのに、PER50で7年、PER30で4年かかることになります。
僕の超強引な理屈で考えると「その期間成長が期待できれば、今PER15の株を買うのとあまり変わらない。」とも言えます。(実際は違います。)
下記、購入時の株価でPERが15になるまでの年数です。
成長率(%) | PER20で購入時の必要年数 | PER30 | PER40 |
10 | 3 | 8 | 10 |
20 | 2 | 4 | 6 |
30 | 1 | 3 | 4 |
Googleってどうだっけ?
Googleですが、現在価格の960でPER35前後で5年間の平均純利益増加率は15%前後です。下記過去5年の業績推移ですが、売り上げもキャッシュフローも平均成長率は20%に届いていないです。2017年は上半期分を倍にしています。Q2の決算がEUの制裁金で数字が悪かったので株価下落も納得ですが、そこは少し差し引いて考えています。
2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | YoY average | |
Revenue (Bil) | 20.59% | 18.88% | 13.62% | 20.38% | 12.46% | 17.19% |
Operating Cash Flow (Bil) | 12.27% | 23.37% | 15.42% | 35.64% | -5.94% | 16.15% |
Net Income (Bil) | 18.53% | 11.08% | 11.95% | 23.06% | -8.11% | 11.30% |
シュミレーションしてみる。
Googleが年に15%成長が続くとした場合の、購入時株価に対してのPERと純利益です。
これをベースに考えると、5年後(2022年)に株価はPER25で1436ドルの計算になります。
年率15%の成長というのが素晴らしく、かつ継続が難しいことを考えさせられました。5年後に今の180%の利益を創出できるか?というと厳しい気がします。
いくつかのシナリオを描いて、5年後の成長率と、その時の市場のPERを想定した場合の株価です。
成長率 | 5年後の市場PER | 株価 |
8% | 20 | 1049 |
10% | 20 | 1149.3 |
15% | 25 | 1436.6 |
15% | 35 | 2011 |
これを見ると、ボトムとしては平均成長が年8%位あれば5年保有でもマイナスにはならないだろうとの期待値です。
最後に
なんとなく5年保有する位の覚悟があれば、10%位の成長が続けば市況が若干悪くなっても年3%以上の利益は期待ができそうだと思いました。
それでも下落時は、値動きが大きいので暴落しても冷静に判断できる様に控えめな株数にしておくのが僕にはあっていると思います。
今後、利が乗って「しめしめ。。誰かに高値で売りつけてやろう…」と売却するのではなく、企業の将来性や決算の収益性・成長率を見ていきたいと思います。
[…] PERが35のGoogle株買っちゃったので成長率の関係を考えてみる。 […]