利回り9%でベンチャーに投資できる! BDCの「Triple Point Venture Capital(TPVG)- トリプル・ポイント・ベンチャー・グロース」を購入

BDCに興味が湧いて3銘柄目になりますが「マイナーなBDC投資」の中で、「マイナーな銘柄」1つ買おう!と思いました。

まともな金額は入れられませんので少しだけです。

BDC自体がハイリスクですし、この銘柄について日本語での記事を読んだこともありませんので、正確性に欠けるかもです。

あしからず。

 

Triple point Venture Capital (トリプル・ポイント・ベンチャー・グロース)

2006年に設立ですが、BDC形式での上場は2014年になります。上場して5年ですから新しい方ですね。

投資方針としては「ベンチャーの成長ステージにのみ投資する」方針です。

 

下記資料はベンチャーの各ステージと投資対象を示すスライドです。ベンチャーの成功のゴールはIPOするか大企業にM&Aされることです。

その手前のフェーズの企業への投資であり「売上約20憶円以上になったベンチャーに投資」とあります。

 

そんなに上手く行くものなのですかね?

・シード・ステージ(ビジネスの種)

・アーリー・ステージ(初売上)

・レータ・ステージ(初期の売り上げ)

・ベンチャー・グロースステージ(20憶以上の売り上げ)  ☜このフェーズの会社にのみ投資

・パブリック

 

BDCの時価総額ランキング順位について

BDCは44銘柄ありますが、TPVGは19番目です

時価総額は現時点で 395million$(約420憶円)です。

ARCCの時価総額は 7.86Billion(約8300億)ですから、時価総額も資産規模もARCCの1/20程度の規模です。

 

J-REITで言えば、キラキラ日本トップの日本ビルファンド(資産1兆円クラス)と無格付け500億円クラスのスターアジア位に差かな、なんて思いました。

 

値動きについて

2019/8/17時点で、

15.88ドルで分配金利回り 9.07%です。

リーマンショック未経験です。上場来から2015年~2016年の原油安・クレジット不安の際には10$を下回っています。

この頃には資産も減らしていますね。

 

直近の決算が良く、EPSが0.38$予測で、実際が0.41$。売上が14.43%増でした。

上場来高値目指して上昇中ですね。

 

分配金ついて

それなりの値動きではある一方、分配金安定して出ています。昨年、余剰分配金を出しています。

この銘柄に限りませんが、BDCは利益の90%を分配金に回すことが税制上必要なのですが、REITとは違い、融資先からの返却時期等もあり、各BDCは調整しつつ年間通して安定配当を出す調整をしています。

 

バブルチャートでのスクリーニング

以前記事で書いたバブルチャートだとここです。

NAV1.04で、利回り10.16%で真ん中よりちょい優秀な位でした。

三ヵ月で10%以上上昇してしまいました。

 

LTV/レバレッジについて

レバレッジとしては1.41倍になります。なんと44銘柄中42位という低いレバレッジです。

ARCCは1.78倍です。レバレッジを2倍まで引き上げれば、NAV毀損がなければ、分配利回り13%位までポテンシャルがあることになります。

 

ですが、この投資方針(Growthステージのベンチャーへの投資)だと優良投資先を見つけるのが大変そうですね。

 

利回り/NAVについて

資産価値辺りの利回りになります。前回、HTGC購入時の記事で「ROEに相当」ということを書きました。

TPVGは44銘柄中13番目で10.15%でした。

数字だけで見ればレバレッジが低いのに13番目って優秀ですね。多分、これを自己資金で割れば44銘柄中トップだと思います。

 

NAV/Shareの推移について

一投資口当たりの資産になります。

2016年の13.05$まで減らし続けていますが、その後は小さな上昇カーブです。

 

BDCの個別銘柄選定をして思うのは「NAVの推移のチェックが重要」だと感じました。

REITと違い「無格付け企業へのクレジット」ではどうしても資産は減少方向になります。

それを、ハイリスク・ハイリターンのワラントや未公開株カバーする仕組みで頑張っているBDCと、そうでないBDCの差が結構あります。その内、記事にしたいですね。

 

投資資産について

IR資料を見る限り下記です。90%位がクレジット系で少な目ですね。全部Senior Loan(第一順位弁済)で比較的アセットとしては健全です。

ですが、結局は投資先次第ですけどね。

この位の規模であると、投資先が数えられる位になってきます。クレジットの貸出は29社、ワラントへの投資は54社、非公開株式への投資は19社です。

クレジット資産についてです。

下記は29社の貸出の状態です。資産規模1%位はRedと評価して吹っ飛ぶ寸前ですね。

ワラント・株式について

ワラントは54社へ19.5Millionドルの投資で、評価益として4.8 million ドル36%程の含み益

未公開株式は20社への10.9Million ドルの投資で、資産評価額 31.8 millionドル 191%の含み益です。投資先は19社で1社吹っ飛んでますね。

 

 

好奇心に駆られて購入

TPVGは、市場から担保証券買いでNAV資産の安易な水増しがなく、投資方針が明確で、BDC投資ならではの面白さを感じられる銘柄に思えました。

過去データ・数字は相対的に見て優秀です。シニアローンの比率が100%ですし、LTVも低いです。

そういった指標だけ見ればARCCよりも良く、1つ前に投資を決めたHTGCがとてもハイリスクに思えました。

ですが中小銘柄ですから、BDC投資に重要な投資先分散が弱すぎます!!投資先が1社でもデフォルトになればそれなりの痛手を伴いますね。

 

投資は自己責任で

BDC全般に言えますが、クレジット不安が起きた際には全銘柄下落するので投資する必然性はないです。

高利回りはリスクの裏返しですから。

マイナー銘柄過ぎますが、BDCの銘柄選定についても情報が少ないので記事にしてみました。ニッチですね。

 

BDC投資の高利回り・リスクについて書いています。

米国BDC(Business Development Companies) 投資とは? 高配当な理由とリスク

 

2019/5のスナップショットですがBDC全銘柄のNAV倍率・利回り・時価総額を記載しています。

米国BDCの全銘柄のバブルチャート(利回り・NAV倍率 )

 

BDCの雄。ARCCの資産についての基礎です。BDCの高利回りの理由が垣間見えます。

ARCCのバランスシートについて

 

BDCの個別銘柄HTGCについての記事です。BDC個別銘柄の選定方法について記載しています。

BDCの「Hercules Capital – ヘラクレス・キャピタル (HTGC) 」を買ってみました。